¡Hola!
信州から届いた箱いっぱいの野菜を眺めていたら、いろいろお料理したくなってきました。
ムカゴだけはスペイン語に訳できませんが、スペイン人が食べて「秋の味だね」と言ってくれたらいいな、と思いながら作りました。それとも気の早いスペイン人だと、もう「冬の味」と言われるかもしれませんね。スペインの1年は、長い夏と長い冬だけみたいなものですから。
渡辺万里
信州から届いた箱いっぱいの野菜を眺めていたら、いろいろお料理したくなってきました。
渡辺万里
10 de octubmre.2011

スペイン人のドライなところ、何のためらいもなくはっきりしているところ。ウェットな国であいまいさを身上とする日本人の感性とはいささかギャップが大きいので驚くこともありますが、そこに彼らのユーモアのセンスが加わると、怒るより笑ってしまう、ということが少なくありません。先日もこんなニュースをテレビで見て、思わず苦笑してしまいました。
若いアナウンサーが町にでて取材する番組。彼は、最近ブームだというワインのテイスティングのグループを訪れて、いろいろ質問しています。
「ワインを理解して楽しむこと。ただ飲むのとは比較にならない、新しい世界が開けます」
と語るエレガントな講師の女性。テーブルでは、グラスをまわす手つきもなかなか堂に入っている男性、真剣な面持ちの女性など、みな深くワインの世界に埋没している様子。
そこでアナウンサーは、こっそり中庭に出て「スーパーで1ユーロで買ってきた」というカートン入り1リットルのワインを取り出し、トレイに並べたグラスに注ぎます。そして会場に戻ると、「このワインをテイスティングしてコメントしてもらえますか?」と一人一人に尋ねていったのです。
「最初の香りは悪くない。ボディには欠けるが、とてもコレクトな(正しい)ワインですね」
「全体にバランスがいい。賞をあげるなら、金とか銀というわけにはいかないが、ブロンズくらいならあげられますね」
1人をのぞいてほぼ全員が、このワインをしっかりほめます。そのたびにアナウンサーが、実に上手に切り返していきます。
「かなり上質なワインです」「さっき、1ユーロで買ったんですけど?」「・・・・・」
「軽やかなバランス。これはナバラ産か、ソモンターノ産ですね」「いえ、スーパー産です」「え、まさか・・・」
からかわれた相手も、最後は恥ずかしそうに一緒に笑っています。
そしてきわめつけは、
「赤いフルーツの香り。ほのかな菫のそよぎ・・・」などとお決まりのワインの表現を始めた男性に「段ボールの匂いはしませんか?」「??」「これ、1リットル入りカートンのワインなんですけど!」「そ、そんな・・・」
渡辺 万里

この夏信州で、優れたお酒の数々と、そのお酒を造る素晴らしい若者たちに出会いました。その出会いを私の料理につなげたいという願いから、ワイン会が今回だけ「日本酒の会」に変身しました。
スペイン北部の料理から、さわやかななかにもお米のうまみがしっかりと主張する佐久のお酒に寄り添ってくれるものを選んで作りたいと思います。
そしてお酒は、佐久の13の酒造の代表作が勢揃いします。今回限りの秘蔵酒も登場するかもしれません。そのうえ酒造の現場をになう若手後継者たちが、信州からかけつけてくださいます。きっと、お酒作りの色々や興味深いお話を聞かせていただけることと思います。この特別な機会に、ぜひ皆様お誘い合わせのうえ、ふるってご参加くださいませ。
渡辺 万里
・日時:2011年11月20日(日曜) 午後 1:30~3:30
・場所:スペイン料理文化アカデミー
・会費:10,000円(酒、食事、資料を含む)
*ただし、着物でご来場の方には1,000円引きといたします。
・定員:15名
・協賛:佐久若葉会。
*準備の都合上、予約のキャンセルは前々日までとなります。
前日と当日のキャンセルは会費を頂戴します。
スペイン料理文化アカデミー
http://academia-spain.com
お陰さまで、定員につき締め切らせていただきました。また次回に、ぜひご参加ください。

「スペイン料理に興味はあるけれど、入会する前に一度試してみたい…」という方のために、気軽に参加できる体験クラスのシステムが始まりました。
入会金なしで、スペイン料理・基礎のクラスに1回だけ参加できます。また、参加後に引き続きクラスの受講を続けたい方には、入会金特別割引きもご用意しています。
この機会にぜひ、おいしくて健康的、身近な材料で簡単に作れるスペインの家庭料理に挑戦してみませんか?

日程:
・11月 5日【土曜日・午後2時~】
・11月 6日【日曜日・朝11時~】
・11月 9日【水曜日・朝11時~】
メニュー:
・11月:[ナバラ地方の歴史と料理]
野菜のメネストラ、仔羊のチリンドロン、カスタードデザート。

※講習と試食で約2時間かかります。
※費用:6,000円(試食、ワイン、テキストを含む)
※「体験クラス」参加後に引き続きクラスの受講を続けたい方には、入会金特別割引がございます。詳しくはお問い合わせください。
定員につき、締め切らせていただきました。また次回に、ぜひご参加ください。

原題:Pájaros de Papel
邦題:ペーパーバード 幸せは翼にのって
監督:Emilio Aragon / エミリオ・アラゴン
出演:Imanol Arias /イマノル・アリアス、
Lluis Homar / ルイス・オマール、
Roger Princep / ロジェール・プリンセプ
劇場:2011年8月より全国順次公開中
配給:アルシネテラン
2010年/スペイン/スペイン語/123分
ストーリー:
スペイン内戦下、マドリード。喜劇役者のホルヘは、苦しい生活ながらも、愛する妻マリアと息子ラファに恵まれ、幸せに暮らしていた。
そんなある日、相方の腹話術師エンリケとの舞台を終えたホルヘは、家に帰る途中に爆撃に遭う。家へと急ぐと、そこはがれきの山となっており、愛する妻と息子はその下敷きになっていた。
内戦がホルヘの全てを奪ってしまった。
深い悲しみとともに、ホルヘはマドリードを離れる。1年後、内戦が終わり劇団に戻ってきたホルヘは、相方のエンリケと再会する。そして、戦争で両親を失いエンリケに引き取られていたミゲルという少年とともに3人で暮らすことになる。食べることさえままならない厳しい生活の中、何とか飢えをしのぎ、つつましく暮らす3人。そんな生活の中で、ホルヘは、亡くした息子と同じ年頃のミゲルを、息子を亡くした寂さのままに冷たく突き放してしまうのだった。それでもミゲルは、ホルヘを慕い、必死に芸を覚えようとする。

一方、スペイン内戦終了後、フランコ政権は反体制派に対して厳しい弾圧を行っていた。そして、行方不明になっていた1年間の間に反フランコ政権の襲撃事件に関与したとして、ホルヘは要注意人物としてマークされてしまう。さらに、軍はホルヘの監視のために、ホルヘとエンリケが所属する劇団にパストールを内偵者として送り込む。
とうのたった歌手のロシオ、メガネなしでは舞台から落ちてしまう一輪車乗りのピサロ、行き場のないダンサーのメルセデス、犬の曲芸の老夫婦、大道具のペドロ。ホルヘとエンリケの所属する劇団には、様々な人々がいる。彼らもまた、貧しいながらも明るさと誇りを失わずに生きている。ホルヘとエンリケは、そんな彼らともに舞台に立ち、歌や踊りそして笑いで観客たちの心に灯をともしていく。そんなホルヘたちの劇場や巡業先にやって来ては、執拗に反体制派摘発の圧力をかける軍人たち。
彼らの監視におびえるエンリケは、「ここに未来はない」と言い、しきりに海外への脱出を主張するが、ホルヘはそれを断り続ける。やがて首都マドリードを出て、巡業へと旅立つ劇団には、様々な出会いと別れがやって来る。歌手のロシオは巡業先の村長と一緒になることを決め引退を決断する。そして、犬を失った夫婦は劇団を離れ、街へと帰っていく。そんな日々の中で、ホルヘはミゲルに喜劇役者としての才能を見出し、芸を教え始める。

ある日、劇場で上映されたニュースフィルムの中に、ミゲルは亡くなったはずの母親の姿を見つける。「ママだ!生きてる!!」と喜ぶミゲルに、「期待するな 見つからないかも。」というホルヘだったが、ミゲルの母親を見つけ出し、ミゲルが折った紙の鳥を手に、1人で会いに行く。しかし彼女は、内戦のショックで息子の記憶を全て失ってしまっていた。そんな彼女に、ホルヘはミゲルの素質を褒め、自分がミゲルの面倒をみると話す。自分を父親のように慕い、「楽器の弾き方も、手品のタネも、喜劇も、ホルヘから習いたい。」というミゲルを、ホルヘは息子のように思い始めていた。そして、ミゲルに「いつか、2人だけのネタを作ろう」というホルヘ。ミゲルの存在が、深い悲しみを抱え、生きる希望を失くした彼の心の傷をいつしか癒していたのだった。
そんなある日、軍の命令によって、ホルヘたちの劇団は独裁者フランコ総統の前で公演を行うことになる。そして、いよいよ本番という時、ホルヘを巻き込んだ陰謀が明らかになる。それを知ったホルヘは、ミゲルとエンリケとともに、スペインを出て、ブエノスアイレスへ脱出することをついに決意する。
ホルヘとミゲルとエンリケ。家族のように過ごしてきた彼らに待ち受ける未来とは―。
(出典:アルシネテラン)
2010年モントリオール世界映画祭 観客賞受賞
2010年ラテンビート映画祭 作品賞・女優賞受賞
*****渡辺 万里 からの推薦文*****
スペインでは、市民戦争の戦中・戦後を描いた映画に圧倒的に佳作が多い。それらの映画のなかの最新作であるこの作品、去年スペインで観たときから紹介したいと思っていた。
内戦の悲惨さ。貧しさと出会い。そこに旅芸人の世界とくれば、まさにスペインのもっとも得意とするテーマが出そろっている。それを、自分自身も芸人であるエミリオ・アラゴンが監督として少し重たいくらいにたっぷりと描き、イマノル・アリアスをはじめとする達者な俳優たちが淡々と演じる。
この時代の傷みや辛さを、心のどこかに大切に抱きしめているスペイン人の一面を知ることのできる映画として、おすすめしたい。
Mari.