2011年12月…「パエーリャ体験教室」のご案内

スペイン料理基礎「体験クラス」  6,000円(1回)

「スペイン料理に興味はあるけれど、入会する前に一度試してみたい…」という方のために、気軽に参加できる体験クラスのシステムが始まりました。
入会金なしで、スペイン料理・基礎のクラスに1回だけ参加できます。また、参加後に引き続きクラスの受講を続けたい方には、入会金特別割引きもご用意しています。
この機会にぜひ、おいしくて健康的、身近な材料で簡単に作れるスペインの家庭料理に挑戦してみませんか?

パエーリャ
日程
・12月 3日【土曜日・午後 2時~】
・12月 4日【日曜日・朝11時~】
・12月 7日【水曜日・朝11時~】
メニュー
・12月:[パエーリャ]
 サングリア、パエーリャ、サラダ、デザート。

パエーリャ
※講習と試食で約2時間かかります。
※費用:6,000円(試食、ワイン、テキストを含む)
※「体験クラス」参加後に引き続きクラスの受講を続けたい方には、入会金特別割引がございます。詳しくはお問い合わせください。


定員につき、締め切らせていただきました。また次回に、ぜひご参加ください。

2011.11.06

¡Hola!

 季節が急速に深い秋へと移行し、日によっては秋を飛び越して冬が来てしまったような日差しや風が感じられます。
 信州でもすっかり季節が移り変わって、農協の直売所の棚にも夏の野菜の華やかな彩りがみられなくなってきました。もうあの巨大なズッキーニがない。いつ見てもたくさん買いたくなるようなふっくらしたモロッコいんげんもない。様々なタイプと大きさが競い合っていたトマトの棚もさびしい・・・。でもそこで気付くのです。これが当たり前なのだ、これが自然なのだと。
 季節とともにステージを去る野菜があって、季節とともにライトを浴び始める野菜がある。太くてダイナミックなネギや、葉っぱまでみずみずしい大根。そして「霜下野菜」とネーミングされたキャベツなどが、今の季節の主役です。
 一日のうちに急激な気温の変化があって、夜には霜が降りるほど寒くなる。その気候が、今の季節のキャベツをより甘く、よりおいしくしているというのです。「やわらか種類」と説明を書かれた下で、キャベツは本当に力強く生き生きとしています。
 季節に適応し季節を逆手にとって、よりおいしくなる野菜たちのように、私たちも時代に適応し困難を逆手にとって、より豊かな人生を送ることができるようでありたいですね。

渡辺万里

2011.10.28

スペイン映画大好き!
¡A mí me gusta cine español!
El viaje a ninguna parte(どこにも着かない旅)

El viaje a ninguna parte
 旅芸人の物語。出会いと別離。内戦後の時代の厳しさ―――スペイン映画界が得意とするこのテーマを語るなら、なんといっても最初に揚げたいのが、1986年制作のこの映画である。スペイン映画のための権威ある賞として現在ではすっかり定着した「ゴヤ賞」の第1回の受賞作品。名優フェルナンド・フェルナン・ゴメスの監督作品として記念すべき作品でもある。


 旅の役者たちに対するオマージュと言えるこの作品を、フェルナン・ゴメスは彼自身の生きてきた時代そのものに対する深いノスタルジーを込めて描いている。
 旅の一座を率いる一家の若者、父親、祖父という三つの世代それぞれの愛と葛藤。映画に押されて、もう斜陽の座から這い上がることのない旅回りの芸人たちの貧しさ。それらすべてが、今は年老いた役者自身の回想として語られ、そこでは過去の現実と、彼の幻想と、旅の舞台の上での芝居の三つが微妙に入り混じって、一種不思議な世界を織りなしていく。


 彼が心の中でなぞっているのは、戦後の荒れすさんだスペインの村から村へ、絶えず進んでいくしかない、しかしどこへも着かない芸人たちの旅。そして彼の人生そのものという、どこにも行きつかなかった旅・・・。


 そう並べていくと話は暗くなる一方のようだが、その底辺に常に流れるスペイン映画独特の諧謔、画面の絵画的な美しさ、それぞれが達者な俳優たちの淡々とした演技が、この映画を単に旅芸人という特殊な世界を描いたものというだけではなく、ひとつの時代に生きる人々の群像とその哀歓を浮き彫りにするものにまで普遍化している。戦後70年経った現在でも見る価値のある、むしろこの時代を知らない若者たちの時代になったからこそ、一層見てほしい映画といえるだろう。


原題:el viaje a ninguna parte
監督:Fernando Fernan Gomez / フェルナンド・フェルナン・ゴメス
出演:Jose Sacristan / ホセ・サクリスタン
   Gabino Dieg / ガビーノ・ディエゴ
   Fernando fernan Gomez / フェルナンド・フェルナン・ゴメス ほか
   1986年/スペイン/スペイン語/134分


2011.10.23

¡Hola!

 信州から届いた箱いっぱいの野菜を眺めていたら、いろいろお料理したくなってきました。

秋の野菜の米料理

秋の野菜の米料理

 葉つきの大根。バターナッツかぼちゃ。それにムカゴを今日の出演者として選んでステージへ。ステージはカスエラ・デ・バロ、素焼きの土鍋です。味をだしてくれるプロデューサーには手製の塩豚。レギュラーの共演者は米。舞台装置はもちろん、たっぷりのオリーブ油。演出家の私が腕をふるって・・・季節の米料理の出来上がり!
 ムカゴだけはスペイン語に訳できませんが、スペイン人が食べて「秋の味だね」と言ってくれたらいいな、と思いながら作りました。それとも気の早いスペイン人だと、もう「冬の味」と言われるかもしれませんね。スペインの1年は、長い夏と長い冬だけみたいなものですから。

渡辺万里

2011.10.10

スペイン料理ひとりごと・その4
Entre cazuelas y morteros
段ボールの香りは?

10 de octubmre.2011

料理エッセイ
 スペイン人のドライなところ、何のためらいもなくはっきりしているところ。ウェットな国であいまいさを身上とする日本人の感性とはいささかギャップが大きいので驚くこともありますが、そこに彼らのユーモアのセンスが加わると、怒るより笑ってしまう、ということが少なくありません。先日もこんなニュースをテレビで見て、思わず苦笑してしまいました。
 若いアナウンサーが町にでて取材する番組。彼は、最近ブームだというワインのテイスティングのグループを訪れて、いろいろ質問しています。
「ワインを理解して楽しむこと。ただ飲むのとは比較にならない、新しい世界が開けます」
と語るエレガントな講師の女性。テーブルでは、グラスをまわす手つきもなかなか堂に入っている男性、真剣な面持ちの女性など、みな深くワインの世界に埋没している様子。
 そこでアナウンサーは、こっそり中庭に出て「スーパーで1ユーロで買ってきた」というカートン入り1リットルのワインを取り出し、トレイに並べたグラスに注ぎます。そして会場に戻ると、「このワインをテイスティングしてコメントしてもらえますか?」と一人一人に尋ねていったのです。
「最初の香りは悪くない。ボディには欠けるが、とてもコレクトな(正しい)ワインですね」
「全体にバランスがいい。賞をあげるなら、金とか銀というわけにはいかないが、ブロンズくらいならあげられますね」
 1人をのぞいてほぼ全員が、このワインをしっかりほめます。そのたびにアナウンサーが、実に上手に切り返していきます。
「かなり上質なワインです」「さっき、1ユーロで買ったんですけど?」「・・・・・」
「軽やかなバランス。これはナバラ産か、ソモンターノ産ですね」「いえ、スーパー産です」「え、まさか・・・」
 からかわれた相手も、最後は恥ずかしそうに一緒に笑っています。
 そしてきわめつけは、
「赤いフルーツの香り。ほのかな菫のそよぎ・・・」などとお決まりのワインの表現を始めた男性に「段ボールの匂いはしませんか?」「??」「これ、1リットル入りカートンのワインなんですけど!」「そ、そんな・・・」

リオハのワイン店

リオハのワイン店

 あまり良いワインとは思えない、と答えたのは、比較的気取りのない男性一人だけで、アナウンサーが「あなたはえらい!」と握手を求めていました。
 権威あるテイスティングの会だから良いワインに決まっている、と決め込んでしまうこと。有名な店だからおいしいに違いない、と最初から疑わないこと。どれも、自分の舌や鼻ではなく、知識で味わってしまうことの危険性を教えてくれます。
 さらにいうなら、政府が大丈夫だといえば、何のデータもなく信じてしまうこと。政治家がこちらに向かおうと言えば、それが正しいのだろうと自分で考えずにうなずいてしまうこと。ワインの味見くらいでは終わらない、危ない錯覚だと思います。自分の目で見ていること。味わっていることに、もっと自信を持ちたいですね。
 それにしても当分、ワインを前にして「森のフルーツの香りが・・・」と聞くと「段ボールの香りは?」と言いたい誘惑を感じてしまいそうです。

渡辺 万里

2011.10.10
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