文化|Cultura

私の本棚~スペイン、料理と文化のBOOK紹介~

「スペイン文化読本」発売開始となりました!

スペイン文化読本/川成 洋 編/渡辺は「食文化」と「ワイン」の章を担当

出版社名:丸善出版/税込価格:2,160円


様々なジャンルにわたって、今スペインについて一番知りたい事を網羅した本です。
何かきっかけがあってスペインに興味を持ってくださった方に、ぜひ読んでいただきたいと思います。
渡辺は「食文化」と「ワイン」の章を担当しています。


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スペイン映画、大好き!~スペイン映画紹介~

スペイン映画大好き!
世界が愛した料理人

世界が愛した料理人
世界が愛した料理人

© Copyright Festimania Pictures Nasa Producciones, All Rights Reserved.

推薦文

美食という罠

 究極の美食とは何なのか? 今、料理人が追求すべきテーマとは何なのか?レストランが表現できることとは何なのか?・・・・・
 日に日に多様化する食のテーゼに踊らされがちな今、美食について語る資格のある人がいるとしたら、それは世界有数の美食の地、スペイン・バスク地方の料理人だろう。
 エネコ・アチャはその一人であり、とりわけ注目されている料理人の一人だ。この映画は、まず彼にスポットライトをあて、彼から螺旋を描きながら日本へ近づき、「美食の真髄」というテーマに近づいていく。

 どうして、エネコなのか? 彼以前にも彼以後にも、バスクには優れた料理人が大勢現れてきた。しかしそのなかで、単なる料理人には止まらないほど聡明な彼だからこそ、まな板の上だけでなく言葉でも食を語ることができる。そして、この映画の原題である「ソウル(魂)」というキーワードが、彼を日本へ、「数寄屋橋次郎」へと導いていく。

 この映画の監督はスペイン人だから、ここでは、スペインやフランスのシェフが『手前』に位置し、「次郎」や「龍吟」が『向こう側』に位置する。そのため我々日本人は、鏡で裏文字をみるような不思議な感覚にとらわれる。しかし、西洋と東洋の料理人たちによって語られていく、様々なアプローチでの食のテーゼは、いつのまにか、我々の視点をエネコのそれに近づけていく。

 記憶にある味が美味なのか?いままで存在していなかったものが美味なのか?そのもの固有の香りがするから美味なのか、そこにあるはずのない香りがするから美味なのか?・・・・
 果てしない迷宮への罠としか思えない、新たな美食への試みが世界中で繰り広げられている。そのなかで、美食の王道を知るバスクのシェフ、エネコは、何を求めるのか?その問いから、この映画は始まり、同じ問いに帰結して終わる。

「サンパウ」のシェフ、カルメは、映画のなかでこう語る。
「ジローは、同じことを限りなく繰り返す。毎日、何千回も。自分の道を、自分の美学を信じて。私たちには真似できないことだからこそ、すごいと思う」
 西洋では、美食の探求とは繰り返しではない。否定と肯定を繰り返しながら変貌していくことだ。しかし、日本では美食の大きな部分は繰り返しによって成り立っている。だからこそ、行き着く先は違う。エネコもカルメも、いやフェラン・アドリアも、その根本的な違いを認識しながらもなお、日本の食の美学を深く敬愛し、そこから学ぼうとしてきた。そのことの素晴らしさを、この映画は再認識させてくれる。
 西洋のガストロノミーシーンを牽引してきたシェフたちが、日本の食の美学のなかに迷宮の出口を見つけてきたのだとしたら、それは素晴らしいことだ。そして我々日本人は、自分たちの国の食に秘められているその素晴らしい価値を、再認識すべきだろう。

渡辺 万里

解説

Story

スペインとフランスにまたがるバスク地方。そこはミシュラン星付きレストランも多く、世界的に美食の街として知られる。バスク州ビルバオ近郊の名店「アスルメンディ」をプロデュースする料理人エネコ・アチャ。スペイン史上最年少でミシュラン三ツ星を獲得した彼の華麗でサステナブル(持続可能)な料理には世界中から多くの顧客が集まる。昨年は六本木に「エネコ東京」もオープンさせた。農園とレストランが隣接する独特の環境の中で、料理を極めることに命を懸ける彼は、最高の料理に必要なもの、料理に込めるべき魂とは何かを求めるため、東京・銀座にある「すきやばし次郎」の主人、小野二郎に会いに行く旅に出た…。サンパウ、ジョエル・ロブションなど世界的な名店の創作の秘密も紐解きながら、エネコが目指す究極の料理の姿が次第に明らかになる。(出典:世界が愛した料理人[公式WEBサイト]

公式サイト:http://sekai-ryori.com/
公式サイト「予告編」:http://sekai-ryori.com/restaurants/#
タイトル:世界が愛した料理人
公開表記:9月22日(土)よりYEBISU GARDEN CINEMAほか全国順次公開
配給:アンプラグド
コピーライト:© Copyright Festimania Pictures Nasa Producciones, All Rights Reserved.
監督:アンヘル・パラ、ホセ・アントニオ・ブランコ
出演:エネコ・アチャ「アスルメンディ」、マルティン・ベラサテギ「ラサルテ」、カルメ・ルスカイェーダ「サンパウ」、ジョエル・ロブション「ジョエル・ロブション」、石田廣義・石田登美子「壬生」、山本征治「龍吟」、小野二郎・小野禎一「すきやばし次郎」、服部幸應、マッキー牧元、マイケル・エリス「ミシュランガイド」
2016年/75分/原題:SOUL/スペイン/5.1ch/ビスタ/カラー

世界が愛した料理人 flyer© Copyright Festimania Pictures Nasa Producciones, All Rights Reserved.

私のお勧めスペインのレストラン

私のお勧めレストラン その8


 私が「スペイン最高の女性シェフ」として以前から尊敬してきたカルメ・ルスカデーリャのレストラン「サン・パウ」が、嬉しいことに東京にオープンしました。
 こじんまりした海辺の町の本店で自分のポリシーをかたくななまでに守ってパーフェクトな料理を作ってきた彼女を、こんな遠くまで進出する気にさせた日本企業の熱意には脱帽です。
 高品質な素材へのこだわり。カタルニア料理に欠かせない調味素材を柱にした、しっかりとした味覚の展開。華やかで女性らしく繊細、それでいてダイナミックな視覚的魅力溢れる皿の数々。そしてメニュー構成からは、「日本にカタルニアの文化を伝えたい」と熱意を燃やすカルメの意気込みが伝わってきます。
 価格帯は高めですが、それだけの価値のあるひとときが過ごせると思います。もちろんスペインの本店に行くことができれば、それが最高ですが……。

住所 東京都中央区日本橋1-6-1 コレド日本橋ANNEX
TEL 03-3517-5700(レストラン) 03-3517-5702(ワインバル)
営業時間 12:00~15:30(L.O.13:30) 18:00~25:00(L.O.21:00)
定休日 月曜(レストラン) 無休(ワインバル)
予算 ランチ:8,000円(平日のみ) ディナー:21,000円
文:渡辺万里
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