2012年 1月…スペイン料理「体験クラス」のご案内

スペイン料理基礎「体験クラス」  6,000円(1回)

「スペイン料理に興味はあるけれど、入会する前に一度試してみたい…」という方のために、気軽に参加できる体験クラスのシステムが始まりました。
入会金なしで、スペイン料理・基礎のクラスに1回だけ参加できます。また、参加後に引き続きクラスの受講を続けたい方には、入会金特別割引きもご用意しています。
この機会にぜひ、おいしくて健康的、身近な材料で簡単に作れるスペインの家庭料理に挑戦してみませんか?

カスティーリャ料理+豆の話
日程:(各定員8名様)
・2012年 1月14日【土曜日・午後2時~】
・2012年 1月15日【日曜日・朝11時~】
・2012年 1月18日【水曜日・朝11時~】
メニュー
・2012年 1月:
[カスティーリャ料理+豆の話]
 カスティーリャ料理+豆の話、マドリード風コシード、サラダ、デザート。

※講習と試食で約2時間かかります。
※費用:6,000円(試食、ワイン、テキストを含む)
※「体験クラス」参加後に引き続きクラスの受講を続けたい方には、入会金特別割引がございます。詳しくはお問い合わせください。


定員につき、締め切らせていただきました。また次回に、ぜひご参加ください。

2012.01.06

スペイン料理ひとりごと・その5
Entre cazuelas y morteros
ああ、ハモン、ハモン

1 de noviembre.2011

料理エッセイ
 アカデミー賞受賞で有名になった男優ハビエル・バルデムの出ている映画「ハモン、ハモン」の話ではありません。ハモンのことを書こうと思ったら、語呂がいいのでなんとなく繰り返してしまっただけです。
 ハモン。生ハム。山岳地帯で作るハム。これほどスペインの食生活に密着した存在はありません。絶えず目にするし、食べてもいる。値段もピンからキリまであって、高いのは本マグロのトロを買うような思い切りが必要な値段だし、比較的安いものは、バルでの手っ取り早いおつまみからボカディージョ(サンドイッチ)にはさまって駅で売られているお弁当まで、あらゆるシーンに登場します。
 かつて一世を風靡した闘牛士、エル・コルドベスの伝記小説のなかに、
 「成功をおさめた彼にとって、ベッドの傍らにおかれた1本のハモンは、もう飢えることはないと感じるための最高の保障だった」という1節がありました。
 目が覚める。ハモンが丸ごと目に入る。それが何よりの安らぎを与えてくれる・・・。とことん貧しく飢えた時代を通りぬけ、自分の腕1本と度胸だけで頂点まで這い上がった青年にとって、ハモンこそ成功の象徴であり、自分が金持ちになったと実感させてくれるものだったのです。
 それはまた、スペイン全体が貧しい時代でもありました。今では闘牛士志願の若者たちも、そこまでハングリーではないようです。とはいえ、つつましい庶民の食卓では依然として、ハモンはややぜいたく品です。
 私が最初にスペインの北部で下宿した家では、毎日トルティージャ(ジャガイモのオムレツ)のボカディージョがお弁当でした。他の子が、ハモンやケソ(チーズ)のちょっとぜいたくなお弁当を持ってくるのが内心うらやましかったのですが、そのハモンのお弁当の子がある日私に、
 「あなたはいいわねえ、トルティージャで」
 とちょっと悲しそうにいいました。

マドリード、サン・ミゲル市場内のハム店

マドリード、サン・ミゲル市場内のハム店

 彼女が下宿していた家はかなりの上流階級で、お母さんはいい人ではあったけれど、下宿している日本人の女の子にオムレツを焼いてくれるような暇はないし、そんなことを考えてもみなかった。そしてある日訪ねてきたお祖母さんに至っては「どうして黄色人種の子なんか泊めているの?」とコメントしたそうです。
 だから、私の下宿の貧しくても心のこもったお弁当が彼女には羨ましかったのです。まだ若くて自己中心だった私は、あとになるまでそういったことに気付かず、私を暖かくもてなしてくれた家族に値する感謝の念を感じたのは、大分時がたってからでしたけれど…。
 1本のハモンの、そして一皿のハモンの後ろには、何かしら物語が隠れているのかもしれません。そんなことを思いながら食べるハモンは、肉食の国の食文化の奥の深さをじっくりと感じさせてくれるのです。

渡辺 万里

2011.11.06

2011年12月…「パエーリャ体験教室」のご案内

スペイン料理基礎「体験クラス」  6,000円(1回)

「スペイン料理に興味はあるけれど、入会する前に一度試してみたい…」という方のために、気軽に参加できる体験クラスのシステムが始まりました。
入会金なしで、スペイン料理・基礎のクラスに1回だけ参加できます。また、参加後に引き続きクラスの受講を続けたい方には、入会金特別割引きもご用意しています。
この機会にぜひ、おいしくて健康的、身近な材料で簡単に作れるスペインの家庭料理に挑戦してみませんか?

パエーリャ
日程
・12月 3日【土曜日・午後 2時~】
・12月 4日【日曜日・朝11時~】
・12月 7日【水曜日・朝11時~】
メニュー
・12月:[パエーリャ]
 サングリア、パエーリャ、サラダ、デザート。

パエーリャ
※講習と試食で約2時間かかります。
※費用:6,000円(試食、ワイン、テキストを含む)
※「体験クラス」参加後に引き続きクラスの受講を続けたい方には、入会金特別割引がございます。詳しくはお問い合わせください。


定員につき、締め切らせていただきました。また次回に、ぜひご参加ください。

2011.11.06

スペイン料理ひとりごと・その4
Entre cazuelas y morteros
段ボールの香りは?

10 de octubmre.2011

料理エッセイ
 スペイン人のドライなところ、何のためらいもなくはっきりしているところ。ウェットな国であいまいさを身上とする日本人の感性とはいささかギャップが大きいので驚くこともありますが、そこに彼らのユーモアのセンスが加わると、怒るより笑ってしまう、ということが少なくありません。先日もこんなニュースをテレビで見て、思わず苦笑してしまいました。
 若いアナウンサーが町にでて取材する番組。彼は、最近ブームだというワインのテイスティングのグループを訪れて、いろいろ質問しています。
「ワインを理解して楽しむこと。ただ飲むのとは比較にならない、新しい世界が開けます」
と語るエレガントな講師の女性。テーブルでは、グラスをまわす手つきもなかなか堂に入っている男性、真剣な面持ちの女性など、みな深くワインの世界に埋没している様子。
 そこでアナウンサーは、こっそり中庭に出て「スーパーで1ユーロで買ってきた」というカートン入り1リットルのワインを取り出し、トレイに並べたグラスに注ぎます。そして会場に戻ると、「このワインをテイスティングしてコメントしてもらえますか?」と一人一人に尋ねていったのです。
「最初の香りは悪くない。ボディには欠けるが、とてもコレクトな(正しい)ワインですね」
「全体にバランスがいい。賞をあげるなら、金とか銀というわけにはいかないが、ブロンズくらいならあげられますね」
 1人をのぞいてほぼ全員が、このワインをしっかりほめます。そのたびにアナウンサーが、実に上手に切り返していきます。
「かなり上質なワインです」「さっき、1ユーロで買ったんですけど?」「・・・・・」
「軽やかなバランス。これはナバラ産か、ソモンターノ産ですね」「いえ、スーパー産です」「え、まさか・・・」
 からかわれた相手も、最後は恥ずかしそうに一緒に笑っています。
 そしてきわめつけは、
「赤いフルーツの香り。ほのかな菫のそよぎ・・・」などとお決まりのワインの表現を始めた男性に「段ボールの匂いはしませんか?」「??」「これ、1リットル入りカートンのワインなんですけど!」「そ、そんな・・・」

リオハのワイン店

リオハのワイン店

 あまり良いワインとは思えない、と答えたのは、比較的気取りのない男性一人だけで、アナウンサーが「あなたはえらい!」と握手を求めていました。
 権威あるテイスティングの会だから良いワインに決まっている、と決め込んでしまうこと。有名な店だからおいしいに違いない、と最初から疑わないこと。どれも、自分の舌や鼻ではなく、知識で味わってしまうことの危険性を教えてくれます。
 さらにいうなら、政府が大丈夫だといえば、何のデータもなく信じてしまうこと。政治家がこちらに向かおうと言えば、それが正しいのだろうと自分で考えずにうなずいてしまうこと。ワインの味見くらいでは終わらない、危ない錯覚だと思います。自分の目で見ていること。味わっていることに、もっと自信を持ちたいですね。
 それにしても当分、ワインを前にして「森のフルーツの香りが・・・」と聞くと「段ボールの香りは?」と言いたい誘惑を感じてしまいそうです。

渡辺 万里

2011.10.10

第113回 スペインワインを楽しむ会

佐久の日本酒とスペイン料理の出会いを楽 しもう!
Encuentro de Sake y comida española


 この夏信州で、優れたお酒の数々と、そのお酒を造る素晴らしい若者たちに出会いました。その出会いを私の料理につなげたいという願いから、ワイン会が今回だけ「日本酒の会」に変身しました。
 スペイン北部の料理から、さわやかななかにもお米のうまみがしっかりと主張する佐久のお酒に寄り添ってくれるものを選んで作りたいと思います。
 そしてお酒は、佐久の13の酒造の代表作が勢揃いします。今回限りの秘蔵酒も登場するかもしれません。そのうえ酒造の現場をになう若手後継者たちが、信州からかけつけてくださいます。きっと、お酒作りの色々や興味深いお話を聞かせていただけることと思います。この特別な機会に、ぜひ皆様お誘い合わせのうえ、ふるってご参加くださいませ。

渡辺 万里

・日時:2011年11月20日(日曜) 午後 1:30~3:30
・場所:スペイン料理文化アカデミー
・会費:10,000円(酒、食事、資料を含む)
*ただし、着物でご来場の方には1,000円引きといたします。
・定員:15名
・協賛:佐久若葉会。

*準備の都合上、予約のキャンセルは前々日までとなります。
 前日と当日のキャンセルは会費を頂戴します。

スペイン料理文化アカデミー
http://academia-spain.com


お陰さまで、定員につき締め切らせていただきました。また次回に、ぜひご参加ください。

2011.10.05
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