2012年 2月スペイン料理「体験クラス」のご案内…

スペイン料理基礎「体験クラス」  6,000円(1回)

「スペイン料理に興味はあるけれど、入会する前に一度試してみたい…」という方のために、気軽に参加できる体験クラスのシステムが始まりました。
入会金なしで、スペイン料理・基礎のクラスに1回だけ参加できます。また、参加後に引き続きクラスの受講を続けたい方には、入会金特別割引きもご用意しています。
この機会にぜひ、おいしくて健康的、身近な材料で簡単に作れるスペインの家庭料理に挑戦してみませんか?

バスク料理+土鍋の話
日程:(各定員8名様)
・2012年 2月 4日【土曜日・午後2時~】
・2012年 2月 5日【日曜日・朝11時~】
・2012年 2月 8日【水曜日・朝11時~】
メニュー
・2012年 2月:
[バスク料理+土鍋の話]
 ※調理だけでなく、料理の解説、地方の文化についも学べるのが当アカデミーの特徴です。今回は、バスク料理の特徴について、土鍋を使った調理についてなど、楽しいレクチュアがあります。
 {調理および試食の内容}ギプスコア風スープ、メルルサのバスク風、デザート、ワイン。

バスク料理+土鍋の話
※講習と試食で約2時間かかります。
※費用:6,000円(試食、ワイン、テキストを含む)
※「体験クラス」参加後に引き続きクラスの受講を続けたい方には、入会金特別割引がございます。詳しくはお問い合わせください。


定員につき、締め切らせていただきました。また次回に、ぜひご参加ください。

2012.01.15

スペイン料理ひとりごと・その6
Entre cazuelas y morteros
もったいない

10 de enero. 2012

料理エッセイ
 スペインの家庭では、パンはまったくと言っていいほど捨てません。食卓のパン籠で残ったパンを仕方なく捨てるというときには、多くの家庭では、パンにキスしてから捨てるよう子供に教えます。日本で、「お米を残すとお百姓さんに悪い」と教えられるのと同じですね。
 この習慣を最初に知った時、不思議だなと思ったのを覚えています。なぜなら、スペインの家庭に食事に招かれるといつも信じられないくらい大量のお料理が出され、それが残るとごみバケツにそのまま捨ててしまう、という光景を何度も見たことがあったからです。
 どうしてパンだけは捨てないの? という私の疑問にきちんと答えてくれるスペイン人に出会ったのは、それから何年も経ってからでした。
 「ソパ(スープ)という言葉、知ってるだろう?ソパというのは元々、液体に浸したパンという意味なんだ。つまり、パンなしにはソパはない。パンはあらゆる料理のスタートだ。だから、捨てないであらゆる料理に使うのさ。」
 そう教えてくれたのは、バスクの料理評論家ミケルでした。

マドリードのレストランのパン

マドリードのレストランのパン

 確かに、パンはいろいろなところに登場します。ソパ・デ・アホ(ニンニクのスープ)はその代表。残り物のパンとニンニクだけでおいしいスープができます。パンを細かくしてパン粉にすれば、クロケッタ(コロッケ)用に。牛乳に浸して揚げればトリハスというお菓子に。そのまま揚げて砂糖をまぶしてピカトステというお菓子にも。
 レシピを読んでいて「パン・ソブラード・デル・ディア・アンテリオール(前の日の余ったパン)」という言葉が材料表に出てくることは珍しくありません。パンに関してだけは、スペイン人は大いに「もったいない」精神を持っている、ということになります。
 それなのに、ほかのお料理はあんなに無駄にして、と内心思っていたら、この頃、家庭では残った料理を捨てることが減ってきたようです。少なくとも、一皿分以上残った料理は保存して「もう1回食べよう」という言葉を聞くようになりました。それは、いくつものスペイン社会の変化を象徴しているかもしれません。
 核家族化が進み、一人分とか二人分の料理が残っていればそれが活用できるようなケースが増えてきたこと。電子レンが普及して、少量の料理を温めるのが楽になったこと。調理済みの料理を冷蔵庫で保存するという習慣が定着してきたこと。そして何より、「たくさんあることがご馳走」という、長い欠乏の時代に培われた習慣が、豊かさのなかで薄らいできたこと・・・。
 喜ぶべき要因も憂うべき要因もひっくるめて、そんな時代の変遷を、台所の一隅から感じることもできるこの頃です。

渡辺 万里

2012.01.11

2012年 1月…スペイン料理「体験クラス」のご案内

スペイン料理基礎「体験クラス」  6,000円(1回)

「スペイン料理に興味はあるけれど、入会する前に一度試してみたい…」という方のために、気軽に参加できる体験クラスのシステムが始まりました。
入会金なしで、スペイン料理・基礎のクラスに1回だけ参加できます。また、参加後に引き続きクラスの受講を続けたい方には、入会金特別割引きもご用意しています。
この機会にぜひ、おいしくて健康的、身近な材料で簡単に作れるスペインの家庭料理に挑戦してみませんか?

カスティーリャ料理+豆の話
日程:(各定員8名様)
・2012年 1月14日【土曜日・午後2時~】
・2012年 1月15日【日曜日・朝11時~】
・2012年 1月18日【水曜日・朝11時~】
メニュー
・2012年 1月:
[カスティーリャ料理+豆の話]
 カスティーリャ料理+豆の話、マドリード風コシード、サラダ、デザート。

※講習と試食で約2時間かかります。
※費用:6,000円(試食、ワイン、テキストを含む)
※「体験クラス」参加後に引き続きクラスの受講を続けたい方には、入会金特別割引がございます。詳しくはお問い合わせください。


定員につき、締め切らせていただきました。また次回に、ぜひご参加ください。

2012.01.06

スペイン料理ひとりごと・その5
Entre cazuelas y morteros
ああ、ハモン、ハモン

1 de noviembre.2011

料理エッセイ
 アカデミー賞受賞で有名になった男優ハビエル・バルデムの出ている映画「ハモン、ハモン」の話ではありません。ハモンのことを書こうと思ったら、語呂がいいのでなんとなく繰り返してしまっただけです。
 ハモン。生ハム。山岳地帯で作るハム。これほどスペインの食生活に密着した存在はありません。絶えず目にするし、食べてもいる。値段もピンからキリまであって、高いのは本マグロのトロを買うような思い切りが必要な値段だし、比較的安いものは、バルでの手っ取り早いおつまみからボカディージョ(サンドイッチ)にはさまって駅で売られているお弁当まで、あらゆるシーンに登場します。
 かつて一世を風靡した闘牛士、エル・コルドベスの伝記小説のなかに、
 「成功をおさめた彼にとって、ベッドの傍らにおかれた1本のハモンは、もう飢えることはないと感じるための最高の保障だった」という1節がありました。
 目が覚める。ハモンが丸ごと目に入る。それが何よりの安らぎを与えてくれる・・・。とことん貧しく飢えた時代を通りぬけ、自分の腕1本と度胸だけで頂点まで這い上がった青年にとって、ハモンこそ成功の象徴であり、自分が金持ちになったと実感させてくれるものだったのです。
 それはまた、スペイン全体が貧しい時代でもありました。今では闘牛士志願の若者たちも、そこまでハングリーではないようです。とはいえ、つつましい庶民の食卓では依然として、ハモンはややぜいたく品です。
 私が最初にスペインの北部で下宿した家では、毎日トルティージャ(ジャガイモのオムレツ)のボカディージョがお弁当でした。他の子が、ハモンやケソ(チーズ)のちょっとぜいたくなお弁当を持ってくるのが内心うらやましかったのですが、そのハモンのお弁当の子がある日私に、
 「あなたはいいわねえ、トルティージャで」
 とちょっと悲しそうにいいました。

マドリード、サン・ミゲル市場内のハム店

マドリード、サン・ミゲル市場内のハム店

 彼女が下宿していた家はかなりの上流階級で、お母さんはいい人ではあったけれど、下宿している日本人の女の子にオムレツを焼いてくれるような暇はないし、そんなことを考えてもみなかった。そしてある日訪ねてきたお祖母さんに至っては「どうして黄色人種の子なんか泊めているの?」とコメントしたそうです。
 だから、私の下宿の貧しくても心のこもったお弁当が彼女には羨ましかったのです。まだ若くて自己中心だった私は、あとになるまでそういったことに気付かず、私を暖かくもてなしてくれた家族に値する感謝の念を感じたのは、大分時がたってからでしたけれど…。
 1本のハモンの、そして一皿のハモンの後ろには、何かしら物語が隠れているのかもしれません。そんなことを思いながら食べるハモンは、肉食の国の食文化の奥の深さをじっくりと感じさせてくれるのです。

渡辺 万里

2011.11.06

2011年12月…「パエーリャ体験教室」のご案内

スペイン料理基礎「体験クラス」  6,000円(1回)

「スペイン料理に興味はあるけれど、入会する前に一度試してみたい…」という方のために、気軽に参加できる体験クラスのシステムが始まりました。
入会金なしで、スペイン料理・基礎のクラスに1回だけ参加できます。また、参加後に引き続きクラスの受講を続けたい方には、入会金特別割引きもご用意しています。
この機会にぜひ、おいしくて健康的、身近な材料で簡単に作れるスペインの家庭料理に挑戦してみませんか?

パエーリャ
日程
・12月 3日【土曜日・午後 2時~】
・12月 4日【日曜日・朝11時~】
・12月 7日【水曜日・朝11時~】
メニュー
・12月:[パエーリャ]
 サングリア、パエーリャ、サラダ、デザート。

パエーリャ
※講習と試食で約2時間かかります。
※費用:6,000円(試食、ワイン、テキストを含む)
※「体験クラス」参加後に引き続きクラスの受講を続けたい方には、入会金特別割引がございます。詳しくはお問い合わせください。


定員につき、締め切らせていただきました。また次回に、ぜひご参加ください。

2011.11.06
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