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島根県津和野の鮎料理(撮影:小浦場 祥夫)

(撮影:小浦場 祥夫)

 今、世界の料理人たちが最も注目しているのは日本料理だ、といいます。「21世紀は日本料理の時代だ」と言い切るシェフも少なくありません。
 世界の料理シーンの最先端を走ってきた「エル・ブジ」のフェラン・アドリアの料理が、日本料理そのものだけでなく日本の食文化の根本、もてなしの哲学までも理解して取り入れたものであることはいうまでもないでしょう。
 そして、日本の料理の素晴らしさに触れるたびに、それはもっともなことだとうなずいてしまいます。ここまで自然に寄り添った、自然と共存して生まれた料理は世界でも類をみないでしょう。
 夏が来る。鮎が採れる。それを炭火で焼いて頭からワタまで全部おいしく食べる・・・。これ以上シンプルな発想はなく、これ以上贅沢な料理もありません。
 どんなにアイデアを凝らした新しい料理の皿が美しくても、この1匹の鮎の姿にはかないません。そこには、自然を愛し、自然と闘うのではなく受け入れるところから始まる日本人の姿勢がはっきりと現れています。
 この自然を失うようなことを許していいのでしょうか? 鮎が汚染されて、もう美しい炭火焼にできなくなってしまってもいいのでしょうか?
 世界は今、日本に注目しています。私たちが、どうやって日本の自然を守って行くのか、子供たちの未来を築いていくのか。そして日本の素晴らしい食を世界中に発信し続けていくことが出来るのか。その問いに答えるにはまず、この美しい国に生まれた幸運を改めて感謝し、その美しさを守るために何をしたらいいのか、一人一人が考えていく必要があるのではないでしょうか。
※写真「島根県津和野の鮎料理(撮影:小浦場 祥夫)」

渡辺 万里

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2012.07.12
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