スペイン映画大好き!
flamenco flamenco(フラメンコ・フラメンコ)

 サウラ監督の映画「ラ・ボダ・デ・サングレ(血の婚礼)」を見たときの衝撃は忘れられない。フラメンコをこういう角度からとらえることができる。映像美として昇華できるということを実感させてくれた最初の映画といってもいいかもしれない。
 それから「カルメン」などを経て「フラメンコ」が発表されたとき、これはサウラ監督からフラメンコに向けてのラブレターかもしれない、と思った。どうしてこんなに自分を惹きつけるのか、その秘密を探りたい、その思いを人にも伝えたいというサウラの情熱が感じられたからである。

 そして今度の「フラメンコ・フラメンコ」。サウラからフラメンコへの最新のラブレターは、その華やかさでも独自性でも、一見の価値ある作品に仕上がっている。特に、新しいアーティストや新しい試みを取り上げながら、その軸にはパコ・デ・ルシアに象徴される円熟した完成度の高いアーテイストを配することで、単なるトピックスとしてではなく、より普遍的なものとしてフラメンコを伝えたいというサウラの気持ちが伝わってくる。
個人的には、アンダルシアを代表する風俗画家フリオ・ロメロ・デ・トーレの絵が重なり合うように舞台を形作っていく美しさ、アーティストたちがその絵のなかから現れたりまた吸い込まれるように絵に同化していくサウラ独特の映像の美しさに気持ち良く陶酔させてもらった。スペインを好きななら、きっとそれぞれが、どこかしらお気に入りのシーンを見つけることだろう。

監督・脚本:Caros Saura / カルロス・サウラ
撮影監督:Vittorio Storaro / ヴィットリオ・ストラーニ
出演:Sara Baras / サラ・バラス
   Paco De Lucia / パコ・デ・ルシア
   Manalo Sanlucar / マノロ・サンルーカル
   Jose Merce / ホセ・メルセー ほか
   2010年/スペイン/スペイン語/101分

■オフィシャルサイト… http://www.flamenco-flamenco.com/
渋谷Bunkamura ル・シネマほかにて、2012年2月11日より上映中!


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2012.02.21
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