スペイン映画大好き!
¡A mí me gusta cine español!
Pájaros de Papel(ペーパーバード)

Pájaros de Papel
原題Pájaros de Papel
邦題ペーパーバード 幸せは翼にのって
監督Emilio Aragon / エミリオ・アラゴン
出演Imanol Arias /イマノル・アリアス、
   Lluis Homar / ルイス・オマール、
   Roger Princep / ロジェール・プリンセプ
劇場:2011年8月より全国順次公開中
配給アルシネテラン
2010年/スペイン/スペイン語/123分
ストーリー
 スペイン内戦下、マドリード。喜劇役者のホルヘは、苦しい生活ながらも、愛する妻マリアと息子ラファに恵まれ、幸せに暮らしていた。
 そんなある日、相方の腹話術師エンリケとの舞台を終えたホルヘは、家に帰る途中に爆撃に遭う。家へと急ぐと、そこはがれきの山となっており、愛する妻と息子はその下敷きになっていた。
 内戦がホルヘの全てを奪ってしまった。
 深い悲しみとともに、ホルヘはマドリードを離れる。1年後、内戦が終わり劇団に戻ってきたホルヘは、相方のエンリケと再会する。そして、戦争で両親を失いエンリケに引き取られていたミゲルという少年とともに3人で暮らすことになる。食べることさえままならない厳しい生活の中、何とか飢えをしのぎ、つつましく暮らす3人。そんな生活の中で、ホルヘは、亡くした息子と同じ年頃のミゲルを、息子を亡くした寂さのままに冷たく突き放してしまうのだった。それでもミゲルは、ホルヘを慕い、必死に芸を覚えようとする。
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 一方、スペイン内戦終了後、フランコ政権は反体制派に対して厳しい弾圧を行っていた。そして、行方不明になっていた1年間の間に反フランコ政権の襲撃事件に関与したとして、ホルヘは要注意人物としてマークされてしまう。さらに、軍はホルヘの監視のために、ホルヘとエンリケが所属する劇団にパストールを内偵者として送り込む。
 とうのたった歌手のロシオ、メガネなしでは舞台から落ちてしまう一輪車乗りのピサロ、行き場のないダンサーのメルセデス、犬の曲芸の老夫婦、大道具のペドロ。ホルヘとエンリケの所属する劇団には、様々な人々がいる。彼らもまた、貧しいながらも明るさと誇りを失わずに生きている。ホルヘとエンリケは、そんな彼らともに舞台に立ち、歌や踊りそして笑いで観客たちの心に灯をともしていく。そんなホルヘたちの劇場や巡業先にやって来ては、執拗に反体制派摘発の圧力をかける軍人たち。
 彼らの監視におびえるエンリケは、「ここに未来はない」と言い、しきりに海外への脱出を主張するが、ホルヘはそれを断り続ける。やがて首都マドリードを出て、巡業へと旅立つ劇団には、様々な出会いと別れがやって来る。歌手のロシオは巡業先の村長と一緒になることを決め引退を決断する。そして、犬を失った夫婦は劇団を離れ、街へと帰っていく。そんな日々の中で、ホルヘはミゲルに喜劇役者としての才能を見出し、芸を教え始める。

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 ある日、劇場で上映されたニュースフィルムの中に、ミゲルは亡くなったはずの母親の姿を見つける。「ママだ!生きてる!!」と喜ぶミゲルに、「期待するな 見つからないかも。」というホルヘだったが、ミゲルの母親を見つけ出し、ミゲルが折った紙の鳥を手に、1人で会いに行く。しかし彼女は、内戦のショックで息子の記憶を全て失ってしまっていた。そんな彼女に、ホルヘはミゲルの素質を褒め、自分がミゲルの面倒をみると話す。自分を父親のように慕い、「楽器の弾き方も、手品のタネも、喜劇も、ホルヘから習いたい。」というミゲルを、ホルヘは息子のように思い始めていた。そして、ミゲルに「いつか、2人だけのネタを作ろう」というホルヘ。ミゲルの存在が、深い悲しみを抱え、生きる希望を失くした彼の心の傷をいつしか癒していたのだった。
 そんなある日、軍の命令によって、ホルヘたちの劇団は独裁者フランコ総統の前で公演を行うことになる。そして、いよいよ本番という時、ホルヘを巻き込んだ陰謀が明らかになる。それを知ったホルヘは、ミゲルとエンリケとともに、スペインを出て、ブエノスアイレスへ脱出することをついに決意する。
 ホルヘとミゲルとエンリケ。家族のように過ごしてきた彼らに待ち受ける未来とは―。
(出典:アルシネテラン

2010年モントリオール世界映画祭 観客賞受賞
2010年ラテンビート映画祭 作品賞・女優賞受賞


*****渡辺 万里 からの推薦文*****

 スペインでは、市民戦争の戦中・戦後を描いた映画に圧倒的に佳作が多い。それらの映画のなかの最新作であるこの作品、去年スペインで観たときから紹介したいと思っていた。
 内戦の悲惨さ。貧しさと出会い。そこに旅芸人の世界とくれば、まさにスペインのもっとも得意とするテーマが出そろっている。それを、自分自身も芸人であるエミリオ・アラゴンが監督として少し重たいくらいにたっぷりと描き、イマノル・アリアスをはじめとする達者な俳優たちが淡々と演じる。
 この時代の傷みや辛さを、心のどこかに大切に抱きしめているスペイン人の一面を知ることのできる映画として、おすすめしたい。

Mari.

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2011.10.04
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