スペイン映画大好き!
Cooking Up a Tribute
(クッキング・アップ・ア・トリビュート)
「ロード・ムービー」ならぬ「クッキング・ムービー」だ、とスペイン国内でも話題になったドキュメント映画。世界のトップクラスにランキングされるカタルニア地方ジローナのレストラン「エル・セジェール・デ・カン・ロカ」のオーナー3兄弟が主役です。
この映画の素晴らしさは、料理そのものより、料理に到達するまでのプロセスでしょう。3兄弟は、4カ国の6つの町で料理に取り組み、合計2700人分の料理を作っていきます。そこでは、各土地の食材とその食材を作る生産者たち、各地で待ち受けている調理師学校の生徒たち、などとの出会いが含まれます。
「料理は一人ではできない。複数の人間が取り組めば、料理の世界はそれだけ広がる。」という、エル・ブジのフェラン・アドリアが提唱して来た21世紀の料理界のキーワードは、ここに見事に受け継がれているのです。3人がまったく異なる個性を発揮しながら、料理、ソムリエ、パティシエというそれぞれの分野で協力しあって作品を作り出していくプロセスは、見ているだけでエキサイティング。料理に興味のあるかた、スペインが好きなかた、ぜひご覧ください。
渡辺 万里
『Cooking Up a Tribute』(原題)
『クッキング・アップ・ア・トリビュート』 2015年・第12回ラテンビート映画祭(2015年10月8~12日・新宿バルト9ほか)上映予定。
■予告編:YouTube
■WEBサイト:lbff.jp / siff.net/festival-2015/cooking-up-a-tribute
■監督:アンドレア・ゴメス、ルイス・ゴンサレス/出演:ジョアン・ロカ、ジョセップ・ロカ、ジョルディ・ロカ/2015年/ドキュメンタリー/スペイン/87分