フラメンコ・ミニエッセイ その3

フラメンコ・ミニエッセイ その3


“アルグノス・モメントス”

 フラメンコについて語るには、カンテ(歌)について語らなければならない。あの パコ・デ・ルシアが言っているように、我々ギタリストは、歌いたいのに歌うことがで きない、いわば欲求不満の歌い手たちなのである。
 ギタリストが心で歌いながらギターを弾くとき、踊り手が俗に「歌を踊る」と言わ れるように歌に合わせて踊るとき。そこにフラメンコというひとつのドラマが始まる。
 私にとって、もっとも好きなのは歌のために弾くことであり、そしてもっとも難し いのも歌のために弾くことである。
 それは一種の会話のようなものだから、これほどに繊細で複雑なのである。その対 話のためにギタリストは、適切な出だしを弾き、正しいコードを弾き、歌い手の声の 速度を推し量らなくてはならない。
 しかしまた同時に、これほど素晴らしい、うっとりさせてくれることがあるだろう か。二人の人がひとつの音楽を実現していくこと。インスピレーションを共有するこ と。そして共に歌うことほどに………。
 それは瞬間の音楽である。そして永遠でもある。あなたが自分のなかに「歌」を感 じたなら、その音楽は常にあなたの元に止まるだろうから。

カルロス・パルド
(対訳:渡辺 万里)
2011.09.03

フラメンコ・ミニエッセイ その2

“Algunos momentos”

  Flamenco es , para mí una forma de pensar, una forma de sentir, y una forma de ser.
  Es un arte tan dificil y tan profundo, que no se puede llegar a comprender solo estudiando el toque de guitarra ni el cante.
  Hay que emborracharse. Hay que madrugar. Hay que enamorarse. Hay que divertirse. Hay que sufrir. Hay que llorar.
  Es un arte que tiene su raís en la tierra muy dañada; La Andalucia, y que se identifica en los sufrimientos y los sentimientos del pueblo andaluz.
  Flamenco , es una forma de vivir.

Carlos Pardo


“アルグノス・モメントス”

 私にとってフラメンコとは、その人の考え方そのもの、感じ方そのもの、そしてその人の在り方そのものだ。
  フラメンコは余りにも難しく奥深いものだから、ただギターや唄を練習しても理解できるというものではない。
 酒を飲み明かすことも必要だ。恋をすることも。人生を楽しむことも。苦しむことも、泣くことも、すべてが必要だ。
 フラメンコはアンダルシアという深く傷ついた大地にその根を張っていて、アンダルシアの民衆の苦しみと情感のなかに在る。
 フラメンコとは、人の生き方そのものなのだ。

カルロス・パルド
(対訳:渡辺 万里)
2011.09.02

フラメンコ・ミニエッセイ その1

“Algunos momentos”

  Farruco era muy especial, aparte de que era muy buen artista.
  En aquella epoca; la epoca que cuando Farruco era joven, ningun bailaor sabía qué significa colocar brazo, y allí empezó la epoca de la valenciana; Pilar Lopez.
  Por el ballet de Pilar, han pasado casi todos bailaores importantes de esta epoca; como Antonio Gades o El Guíto y otros más, y allí aprendían la forma de colocación de baile.
  Pero Farruco no aguantó allí. Por que aun siendo joven, Farruco ya era Farruco, y sabía que él iba a bailar lo “suyo”. Y así bailó toda la vida.
  Descanse en Paz.

Carlos Pardo


“アルグノス・モメントス”

 ファルーコはただ素晴しいアーティストというだけでなく、特別な存在だった。
  彼が若かったあの時代、バイラオール(男性の踊り手)たちが誰もまだ、腕をどう構えるかなどという課題に気付いていなかった頃、バレンシア出身のピラール・ロペスというバイラオーラ(女性の踊り手)が現われた。
 現在の代表的なバイラオールのほとんど---アントニオ.ガデスやエル・グイートを含む---が、ある時期ピラールのバレエ団に入り、そこで踊りの姿勢やフォームを身につけた。
 しかしファルーコだけは納得しなかった。まだ若かったにもかかわらず、ファルーコはもうファルーコであり、彼の踊りは彼だけの独自のものになると判っていたのだ。そして彼は一生、自分の踊りを踊った。心から冥福を祈る。

カルロス・パルド
(対訳:渡辺 万里)
2011.09.01

スペイン料理文化アカデミー/東日本大震災・被災地支援チャリティコンサート

 予想もしなかったこのたびの大災害で、多くの方々が苦しんでいます。その悲しみや苦しみは消せないけれど、ほんのわずかな部分でもお手伝いすることができたら。
 そんな思いをこめて、チャリティコンサートを企画しました。出演してくださる方、料理や会場を担当してくださる方、すべてボランティアです。
 そこへお客様として参加してくださる皆様に加わっていただいて、少しでも多くの義援金を、そして応援のパワーを被災地の方々に送りたいと思います。
 どうぞ、皆様お誘い合わせのうえ、ご参加ください。

渡辺万里+カルロス・パルド



第1部「祈りよ、届け」
開場:5月29日(日)午後12時半 開演:午後1時
(終演後、3時まで有料でビュッフェタイムあり)
入場料:5000円

第2部「再起への脈動」
開場:5月29日(日)午後3時半 開演:午後4時
(終演後、6時まで有料でビュッフェタイムあり)
入場料:5000円

[入場料、その他の売り上げは全額被災地への寄付といたします]

出演者・協力者:(あいうえお順)
相田繭佳(踊り)、天野紀子(ジプシーヴァイオリン)、エル・プラテアオ(唄)、カノン工房、50カラット会議、清水まなみ(津軽三味線)、杉本明美(踊り)、竹内進(バリトン)、谷めぐみ(ソプラノ)、ミゲル・デ・バダホス(唄)、レオ・モリーナ(ギター)、ワイナリー和泉屋(ワイン提供)、
そのほか大勢の皆さま

2011.04.25

東日本大震災・被災地支援チャリティコンサート

スペイン料理文化アカデミー
東日本大震災・被災地支援チャリティコンサート

 予想もしなかったこのたびの大災害で、多くの方々が苦しんでいます。その悲しみや苦しみは消せないけれど、ほんのわずかな部分でもお手伝いすることができたら。
 そんな思いをこめて、チャリティコンサートを企画しました。出演してくださる方、料理や会場を担当してくださる方、すべてボランティアです。
 そこへお客様として参加してくださる皆様に加わっていただいて、少しでも多くの義援金を、そして応援のパワーを被災地の方々に送りたいと思います。どうぞ、皆様お誘い合わせのうえ、ご参加ください。

2011.04.25
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